怠惰と快楽の技術

あるいは勤勉の敗北

20191130〜20191201

 ‪人間でも機械でもシステムでも何でもよかったしとにかく「お前はプログラマに向いてない」と言ってもらいたい。それが満たせるものとしてSASUKE(仮名)は本当にぴったり丁度よかった。ほかにどうしたらいいかなんて何もわからない何もアテもないしかし勉強する気もあんまりそんなない私にぴったりの最後の一撃をくれると思っていた。

 そのわりにSASUKE(仮名)のWEBテストの結果が気になりすぎて、土曜日じゅうずっとメールを受信箱を更新していた。3分に1回くらい更新していた。Twitterより更新していた。異常だった。5年くらいTwitterで交友のある方にビッグサイトへ会いに行く道中も100回くらいメールを見たしお会いして挨拶を済ませブースを離れた途端に即見た。電池がなくならないように気をつけながら帰りにも100回くらい見た。

 そんで家帰ってゲームしはじめた途端にSASUKE(仮名)の予選参加許可のメールが届いていた。

 

 その日の朝はものすごい夢で起きた。オフィスに包丁を持った人間が飛び込んできて、入り口付近の人間を無差別に刺し始めた。律動的に腕を動かしていた。部署の人が「逃げましょう!」と言って逃げはじめたので私も走った。建物の外に出ると警官がわんさかいて、なぜか卒業式みたいに人アーチみたいなのを作っていた。その間を走ると警官たちが背中をばしーんと押してくれるのだった。

「こっちだ」

「がんばれ」

「あと少し」

「もうだいじょうぶだから」

 その辺で目が覚めた。よくわかんないけどいまの仕事嫌いなんだな〜って思った。

 

 SASUKE(仮名)の予選を通過するには仕事をやめないと難しいみたいなことが書いてあった。

 数時間くらい本当に仕事をやめてバイトで食いつなぎながらSASUKE(仮名)に参加しようかと考えた。いろいろな人が止めてくれて考え直すことができて本当によかった。働きながら通うという結論がいいのかどうかはわからないけど、それならSASUKE(仮名)の予選に行くのをやめたくなったらやめられるし、そのときに私が死なないのはいいことだと思う。もしかしたら来週になればSASUKE(仮名)なんて行く気をそもそも無くしているかもしれない。

 そんなことよりも心が弱っているとSASUKE(仮名)とかハンター試験に走ろうとする私の生き方にかなり問題があるという気がするし、賃金をもらって生計を立てるということに関してもうちょっと現実的でいい感じの何かを考えられるようにしないと一生SASUKE(仮名)につられて仕事をやめたりしそう。一生SASUKE(仮名)に惑わされるならインターネットやめて人に見えないところで勝手にSASUKE(仮名)に参加して死んだほうがいい気がするし、そうならないためにもSASUKE(仮名)の手が届かない本物の人生を歩んだほうがいい気がする。業界的にSASUKE(仮名)が目の前に出現しがちなのかもしれないけど。