怠惰と快楽の技術

あるいは勤勉の敗北

20200502

 食事が面倒くさくなっていることを自覚する。強制外出イベントと安定した収入がないと食事を買うに買えない。調理するのも気が進まないが、冷食を買うのも同じくらい気が進まない(なぜならコスパが悪いので)。

 その一方、LINEなどでの読書会とかお茶会の予定はどんどん増えていく。気力のバランスをうまく、生活にも振り分けていかなきゃなと思うんだけど……苦手なんだよねえ。楽しいことと生活、両立できないのよ。

 

 午後、メトロポリタン歌劇場の無料ストリーミングでオペラを観る。

 ◎ヴェルディアイーダ』(1985)

 実は名前しか知らなかった。凄まじく陰鬱なオチにびびる。ヴェルディのオペラって全部こんな感じなの?

 1985年だからということか、舞台セットも動かないし人も動かないのだけど、どの役も声がとにかく分厚いので不思議と画面を見ていられる。これが引退公演だったというレオンティン・プライスが際立って素晴らしく、また第3幕のアリアの後で鳴り止まない喝采を受け嗚咽を堪えつつ立つ毅然とした姿には感じ入るものがあった。

 そのあとちょっとゲームをして、散歩。家のまわりにマジで何もなくて、どう散歩のモチベーションを上げたものか。

 

 夜は知人とチャットをしながらNetflix『タイガー・キング』を第3話まで観る。

 ドキュメンタリーってよくわからんのだけど、結構楽しんだ。最初の2話でステレオタイプに見えるようカリカチュアされた異常アメリカ人3人(いわゆる貧乏白人のトラブリーダー/一夫多妻制限界カルトのトラ動物園長/動物愛護団体の女)を出して彼らの対称性をこちらが飽きるくらい示したあと、第3話で動物愛護団体の女の夫殺し疑惑にスルッと話を移すんだけど、これがなんかこわかった。異常国家アメリカ!みたいなのをバーンと押し出す撮り方ではなくなって、ほぼ当時の関係者へのインタビューで構成された回。特に数人くらい話し過ぎたら殺されると思っているような話し方をするのが堪えたのかもしれない。

 明日も昼から知人とチャットしながら見る予定。