怠惰と快楽の技術

あるいは勤勉の敗北

20200517

 R18の『ヴォツェック』in田舎のスタンドアロンなゲームセンター、みたいな夢で6時くらいに目覚めてしまい、ちょっとうだうだしたあとにジュネーブ大劇場のマイアベーアユグノー教徒』(2020)を観る。英訳付きのリブレットを読みながら鑑賞したので正直映像を追うどころではなかったのだが、それでもけっこう満足した。すごいオペラだ。

 お昼はレトルトカレーで済ませ、ハンブルクバレエ団のストリーミングでノイマイヤー振付『幻想 白鳥の湖のように』(2001)を観る。マシュー・ボーンのせいで白鳥の湖の序奏を聴くと涙ぐんでしまう身体になってしまったのだが、ノイマイヤー版は序奏に入る前がアレなのでだめだった。白鳥の群舞などに至るまで美しい振付で、また精神病棟に戻って城の模型を観ながらひとりで踊るところで『懐かしい土地の思い出』の“瞑想曲”が流れたりする趣向もよかった。白鳥の湖の王子に同化してオデットを射止めたいと願う一方で現実の女性に触れることができないことに対する苦悩を抱えるルートヴィヒ2世、というのがコンセプト。なぜその同化願望が生じてしまったのかを考えるとその苦悩が原因であるように見えるのがつらいですね。

 夕方はMETでヴェルディリゴレット』(2012)。オペラ自体は気に入った。そのあと英国ロイヤルオペラハウスのバレエ『変身』を観ながら読書会に参加。『変身』、グレゴール・ザムザがチョコまみれでおいしそうに見えてきた。そのあと読書会のメンバーとアンリ・コルピ『かくも長き不在』を観る。ジョルジュ・ウィルソンが常に困り顔でよかった。

 流石に尻が死んだけど、明日はMET『ナブッコウィーン国立歌劇場ジークフリート』NTL『バーバー・ショップ・クロニクルズ』の予定です。